スターター不良の故障診断について
今回はヤマハのスクーターのケースである。
セルスターターでクランキングするときにカラカラと異音がする。クランクに噛まずに滑っている。こんなときは、ほぼワンウェイクラッチの故障なのだが、先日レアなケースに遭遇した。
なんとセルモーター本体の故障が原因だった。セルモーターに触れながらクランキングすると、滑っているときにカタカタと振動があるので判別できる。取り外したセルモーターを振るとカタカタと音がする。分解して確認するまでもなく壊れているのは明白である。
我々プロの修理屋は、セルモーターの動作を確認してから、ワンウェイクラッチの交換したほうが良い場合があるのを知っておくべきだろう。念のためにワンウェイクラッチも交換しておいたほうが安心なのはいうまでもない。
今回の記録は、ワンウェイクラッチを交換しようが、バッテリーを新品にしようがクランキングの滑りが直らない故障のときはセルモーターも疑えという指摘である。
追記
セルモーターを分解した。ただ単に使いすぎが原因だと思われる。ブラシのカーボンかすが大量にこびりついて、ブラシ最小部が1mm程度だった。カタカナしていたのは砕けたブラシの破片だった。