忘備録

自分のための覚え書き 主に作業メモとして

スナップオン ラチェットレンチ

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ラチェットレンチといえばスナップオン。

ハイクオリティツールといえばスナップオン。

プロのメカニックが断言する。 

ラチェットレンチを使わない日はないと。

使用頻度の高い工具であるから妥協はしたくない。だから価格は高くても、徹底した堅牢さと使いやすさからスナップオンを手に取るメカニックは多い。

スナップオンから新作ラチェットレンチがリリースされた。なんでもスナップオンがラチェットレンチを初めて発売してから今年が100年目にあたるそうだ。ギア数も100なのは狙っていたのか。初期ロットのみ記念として旧ロゴがあしらわれるなど、工具オタクが購入意欲をそそるような仕掛けが施されている。

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肝心の使用感について述べる。100ギアはほぼ無段階といっても過言ではない。レンチを送ったときの手応えがヌルヌルとしていて、今までのカチャカチャ感やカリカリ感とも違う独特さがある。アメリカンなスナップオンらしさがなく、まるでユーロ工具のようだ。少しハンドルを送るだけでラチェットされるから少ない角度でも首を振れるのは特筆に値する。ハンドルグリップは形状や手触りがいまいち気に入らないのだが、使用感は抜群に良い。握りやすく力が入れやすい。グリップを装着したレンチの全長が絶妙な設定で、緩めやすく加減して締めやすい。ソケットの差し込みがやや固く抜き差しに力が必要だが、抜けやすいよりましである。さっそくスピンナーを装着したので、その点に関してはむしろありがたいと思っている。

結論としては購入して良かった。バンセールスのお付き合いの意味も込めて、まあ記念モデルだし一本くらいスタンダードなラチェットレンチを買ってもいいかくらいの心つもりであったから、それほど期待をこめてはいなかったのに見事に裏切られた。

古き良き伝統を守りつつ、新しく良いモノを作ってやろうというスナップオンの心意気を感じた製品である。

 

新人メカニックにアドバイスすると、スタンダードすぎて購入する理由がないと思うだろうが、騙されたと思ってコレを買ったほうがいい。毎日使うものだからこそ使い勝手が良いモノがいいのである。

 

グリーブス ギアボックス

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グリーブスのギアボックスカバー分解の仕事

ギヤチェンジが問題なくできるかの確認で入庫。そのほかにも色々あるが割愛する。

 

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インナーカバーを外した瞬間にカムプレートも同時に外れてしまった。これでは位置がわからない。正確に合わせないと満遍なくシフトできなくなってしまう。ちょっと考えてみたら、予め4速にした状態で分解すれば、カムプレートのポンチマークが合った状態で組めることがわかった。仮組みしてトップに入れてからバラして合わせてまた仮組して、1から4速までシフトできるか確認する。

1ダウン3アップのシフトができるので位置は間違いない。これで本組できるかとおもいきや……。

 

ネジ穴に折れたボルトが刺さったままだったので抜き取る。

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いちおう液状ガスケットを塗布して組んだが、2箇所もボルト締めしていない状態ではオイルが漏れるだろう。

ボルトが入手できるまで我慢だ。

ACレギュレータの不良

自分用メモ

エンジンが始動するとライトやテールランプが点灯するタイプのバイクに共通するトラブルシューティングの方法を記録する。

今回はホンダのスクーターの電装系についての話だ。カブも含めてホンダは小排気量にこのタイプが多い。

ヘッドライトとテールランプ、メーターランプの出力はAC電源によってまかなわれている。オルタネーターで発生した電気は、レギュレータで電圧制御して交流出力するライト系と、レクチファイアで整流してからバッテリー充電する直流出力に分かれている。

どちらか片方だけ故障することも珍しくない。今回の案件はAC出力のみの故障であった。レギュレータから伸びる黄色の配線はライティングスイッチとテールランプとメーターに直接配線されている。完全に独立した系統だ。だからAC系統の灯火が点かない故障を点検するときは、レギュレータの根本の黄色い配線に直接バッテリー電源を与えてやればいい。点灯するなら配線に問題はなく、ほぼ間違いなくレギュレータ本体の故障が原因だと判る。点灯しないなら配線の問題だと判る。オルタネータが故障している場合は充電系統も故障している。バッテリー充電電圧は正常だったから、オルタネータは問題ないと診断した。

ステアリングステム調整

ステアリングステムの調整は非常に難しい。ただトルクで管理すれば完璧という問題ではないから厄介だ。ユーザーにはステアリングステムの動きに好みがあるのだ。重めが好きなのもいれば軽く動くのが好きなのもいる。指定締め付けトルクは、テーパーローラーとボールベアリングによっても違いがあるが、このくらいの締め加減というものがあり、それはメカニックが経験して体得しなければならない。口だけでは説明できないのだ。動かしてみて納得がいかなければ面倒くさがらず何度もやり直すのが会得のコツである。

いちおう説明すると、テーパーローラーの場合はカキンカキンに締めてからステムを動かして馴染ませを繰り返して、いよいよ締まらなくなったら少し緩める。そして少しだけ締める。感覚的には少しだ。ボールベアリングの場合はもう少し強く締めてもいい。

そのあと重さを確認する。やりかたはホイールを組んでフロント周りを浮かせたままにする。中心位置で手を離しても勝手にステアリングが切れ込まないのを確認する。この時点で勝手に切れ込むようなら軽すぎだ。軽くフォークに手を触れてステアリングが切れるのを確認する。これでステアリングが動かないなら重すぎだ。ハンドルストッパーに当たって軽くバウンドする。バウンドしないなら重すぎだし、跳ね返りが強いなら軽すぎだ。

さて、ステアリングの重さにはある程度の幅はあっても基準はある。この僅かな基準の範囲内に収めるように調整しなければならない。が、例外もある。危険でないレベルでオーナーの好みに合わせる場合がある。

一度カキンカキンに締めたことがある。ステアリングベアリングの交換を依頼されて納車したのだが、その後コツッというガタが気になるので調整して欲しいという。これ以上締めると重くなりすぎると説明したが、それでも構わないという。実はバラしたときもナットが変形するほど強く締め付けられていたので気になっていたのだ。聞けば以前に他店でガタが気になるので強く締め付けるようオーダーしたのだという。さすがにタガネでぶん殴るほど締め付けなくても良いと思うが、通常のトルクではガタが気になるというのなら、なんとかしなくてはと焦ったのかもしれない。軽く指定トルクをオーバーしているので、面倒を嫌がる業者だったら責任取れないと断ったかもしれないと思った。

 

SR500調教日記

SR500のエンジンオイルを交換した。本来年中通して10W40のところを15W50にしてみた。粘度が高いが夏場であれば問題なく、むしろギアの入りがヌルヌルしてシフトショックが少なくなり、心なしかエンジン音が静かになる。一年前にも試してみたが悪くなかったので今年も試みてみた。今のところ絶好調である。前回は2000km走行時に交換したのだが、かなりオイルが汚れていた。シャバシャバで真っ黒だった。これはいかんと反省して、今後は1000kmで交換することにしたのである。

今回抜いたオイルはまだ使えるレベルであったが、前回の汚れを引きずっていて距離にしては汚れていた。フラッシングしたつもりで700kmしか走行していないが抜く。フレーム側のドレンボルトの下にガムテープを貼っておくのがミソである。こうすればエンジンガードが汚れないので取り外すことなくオイルを抜き取れる。ややクラッチの遊びが増えていたので調整し、タイヤ空気圧を合わせてチェーンに給油する。エンジンオイルを注入する。銘柄はエルフのモト4ロードである。SRは交換するだけならピッタリ2リットルなのはありがたい。

ある程度いじったSRは早めにオイル交換しようぜ、という話。

メカニカルシール取付

カニカルシール交換の覚え書き

KDX220はウォーターポンプ内のシールと外壁のスペースが狭い。専用に削り出したインストーラでないと圧着できない。持っていた工具の外径を0.5mm削り組み付けた。ちなみに漏れ警告のためのドレン空間の厚みはジャスト1mmだった。この空間とドレンがないと漏れた液体の逃げ場がなくなるのでメカニカルシールを保守するうえで大切である。

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スターター不良の故障診断について

今回はヤマハのスクーターのケースである。

セルスターターでクランキングするときにカラカラと異音がする。クランクに噛まずに滑っている。こんなときは、ほぼワンウェイクラッチの故障なのだが、先日レアなケースに遭遇した。

なんとセルモーター本体の故障が原因だった。セルモーターに触れながらクランキングすると、滑っているときにカタカタと振動があるので判別できる。取り外したセルモーターを振るとカタカタと音がする。分解して確認するまでもなく壊れているのは明白である。

我々プロの修理屋は、セルモーターの動作を確認してから、ワンウェイクラッチの交換したほうが良い場合があるのを知っておくべきだろう。念のためにワンウェイクラッチも交換しておいたほうが安心なのはいうまでもない。

今回の記録は、ワンウェイクラッチを交換しようが、バッテリーを新品にしようがクランキングの滑りが直らない故障のときはセルモーターも疑えという指摘である。

 

追記

セルモーターを分解した。ただ単に使いすぎが原因だと思われる。ブラシのカーボンかすが大量にこびりついて、ブラシ最小部が1mm程度だった。カタカナしていたのは砕けたブラシの破片だった。

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